石綿調査のよくある失敗と回避策 – 適正な調査を行うために

ケーススタディ・事例

1.石綿調査の重要性と失敗の影響

1-1.不適切な調査が招くトラブル(法令違反、罰則、工事の遅延)

不適切な調査で様々なトラブルへと発展します。含有有り無しで、撤去除去方法が大きく変わります。建材レベルに応じた作業が異なります。よって、不適切な調査から不適正な施工、不適正な処分へと繋がっていきます。未調査自体は50万円以下の罰金ですが、その後、産業廃棄物の不適正処理、不法投棄まで繋がり、不法投棄の最高罰金は法人で3億円以下の罰金となります。これらの事案が発覚すれば、当然ながら現場は止まり工期は遅れ、会社としての社会
的信用が失墜するのは言うまでもありません。

1-2. 石綿調査でよくあるミスとは?

個人的によくある勘違い事例としては、天井裏にある鉄骨等に吹いてある耐火被覆について、「鉄骨は触らないから大丈夫」と言われ、耐火被覆を調査されないケースがあります。これは大きな間違いで、劣化して天井裏に堆積している耐火被覆がある場合は必ず調査が必要です。万が一、この耐火被覆が石綿含有と判断された場合は、天井材等を解体する時から、レベル1の石綿除去工事となります。区画・密閉養生が必要となりますし、作業計画を2週間前に届ける必要があります。更には、廃物物処理も特別管理産業廃棄物となり、施工から廃棄物処理まで大きく異なり、コスト・工期も莫大に膨れ上がります。
特にリニューアル工事の際に「そこは触らないからいい」と言われるケースが多くあります。こういったミスがないように注意して頂きたいと思います。

2. 石綿調査でよくある失敗事例

2-1.調査対象を誤る(石綿含有建材の見落とし)

上記で述べたレベル1の見落としは致命傷ですが、見た目はフローリング、タイル等のビニル床シートがあります。建材デザインが優れているため、ぱっと見は見分けがつかず見落としがちです。よって触れてみることが大事です。材質が何なのかを見極めることは極めて重要です。 (▼写真は全てビニル床シートです)

2-2.サンプリングミスによる誤判定

サンプリングにおいてありがちなミスの多くは、表層だけ採取することです。マニュアルにもあるように、塗材等は深部まで、建材等は下地まで採取することが重要です。それぞれの検体には層があり、主材だけでなく、下地調整材、接着剤に含有してるケースがあります。こういった建材の背景も踏まえ、深部まで、下地まで採取する必要があることを注意するようにして下さい。

2-3.調査記録・報告書の不備

一次調査で図面確認したものが現場も同等であることは、ほぼほぼありません。これを現場で追いかけて記録していく、写真を収めていくことも時間に追われます。同じような部屋を確認すると記録が混乱していきます。正しい調査は正しい記録が重要視されるので、この返効率化は重要なポイントと考えます。

3.失敗を防ぐためのチェックリスト

3-1. 調査前の準備で確認すべきポイント

建物全体を図面等で概略で把握して、イメージすることが大事かと思います。何事も段取り八分と言いますが、石綿調査も同様です。調査ルートや採取計画等、イメージをして現場に臨むべきかと思います。

3-1. 調査前の準備で確認すべきポイント

調査計画、現地調査、結果を踏まえた影響範囲の特定、報告書作成という流れが正確な調査を行うためのフローチャートと考えます。中でも、現地調査時はすぐに記録や採取に着手せず、図面と相違している内容を含め、全体を目視して把握することをお勧めします。一次調査でイメージしていた調査との相違点を把握し、手順を確定したうえで動き出すことをお勧めします。

4. 石綿調査を成功させるための対策

4-1.調査時の手順を標準化する

事業所内で人によって手順が複数あると、経験の浅い担当者が苦労します。各社によって手順は異なると思いますので、手順を標準化することによって管理者側での管理も効率的に出来るため、手順を平準化することは非常に重要と考えます。

4-2.最新の石綿調査ツールを活用する

これまで説明してきた、事柄を上手く進めるために、ツールを利用することをお勧めします。把握しているツールをのページで紹介していますので、是非ともご確認下さい。

5.メタラボ石綿事前調査システムなら、調査ミスを未然に防げる

5-1.プロット機能で見落としを防止

専用アプリには取り込んだ図面に調査位置をプロットすることが出来ます。現場で記録したプロットをそのまま報告へ反映出来るので、見落としを防止するうえに作業効率が向上します。

5-2. 調査の手順をガイドし、標準化をサポート

順を追って、登録、計画、調査、報告書作成と出来るので、調査業務を平準化することが出来ます。クライド、専用アプリ、スマホ版の利用をうまく活用して、作業効率\向上にお役立て下さい。

5-3.クラウド管理で調査データを一元管理し、報告ミスを削減

調査はデータはご契約者専用のデータをクラウドサーバ内に構築します。関係者のみアクセスするとこが出来、一元管理が可能となります。(元請保管責任3年)各調査案件は、調査中、報告書完了、Gビズ完了とステータス管理が可能なめ、同時にアクセスして情報集約出来ますし、チェック行為もこの画面に集中させることにより、ステータス管理や報告ミスを防ぐことが可能となります。

前田 淳司

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。 自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化した サービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体 工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

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