塗装業者が知っておくべき石綿調査とリスク回避策

業界別対策ガイド

1.石綿調査が塗装業界にもやってきた

かつては建築業や解体業が中心となって行っていた石綿(アスベスト)調査ですが、近年では塗装業界にもその影響が及んでいます。これは、既存の塗装面や下地に石綿が含まれている可能性があるためであり、適切な事前調査が求められるようになっています。

特に1970年代から1980年代にかけて施工された建物では、外壁や内壁の仕上げ塗装に石綿含有の建材が使用されていることがあります。また、吹き付け材や防水塗料にも石綿が含まれていたケースがあり、これらを削る、剥がす、穿孔する際には事前調査を行わなければなりません。元請任せではなく、自社の立場に限らず塗装業者にとっても、現場ごとの石綿調査を適切に行い、安全な施工を行うことが重要です。

2. 1箇所の穿孔・研磨や上塗り施工でも事前調査は必要か?

塗装工事の規模が小さく、部分的な補修やメンテナンスであっても、事前調査が必要になるケースがあります。例えば、外壁塗装を行う前に下地処理として研磨を行う場合、既存の塗装が石綿含有建材に塗布されていると、粉じんが飛散する危険性があります。また、穿孔(ドリルでの穴あけ)や高圧洗浄による剥離などでも、石綿を含む粉じんが発生する可能性があり、安全対策を講じる必要があります。
上塗り施工に関しても、下地との密着性を高めるために既存の塗膜を削る工程が含まれる場合、石綿調査が必要になることがあります。仮に、下地に石綿が含まれていた場合、作業者が直接曝露するリスクがあるだけでなく、近隣住民への影響も考慮しなければなりません。
塗装業者は、施工前に建物の築年数や過去の改修履歴を確認し、必要に応じて適切な事前調査を行うことで、法令遵守と安全管理を徹底する必要があります。

3.既存の塗装や下地に石綿含有の可能性がある場合の判断基準

石綿含有の可能性を判断するためには、いくつかの基準があります。

1.建築年代の確認

・1970~1980年代に施工された建物は石綿含有の可能性が高い。
・2006年以降の建材は原則として石綿を含まない。

2.施工履歴の確認

・以前に石綿含有建材を使用した記録があるか。
・過去の改修時に石綿を除去しているか。

3.建材の種類

・外壁仕上げ材(吹き付け材やタイル張りの下地など)
・防水塗料や特殊塗装

4.目視・触診

・ひび割れや劣化が進んでいるか。
・一部剥がれがあり、下地が露出しているか。

    ないこと(非含有)を示すことが調査の要点となります。
    基本的には資格を有した調査者に依頼することが肝要かと考えます。

    4. みなし含有と分析調査の判断

    石綿含有の可能性がある場合、「みなし含有」とするか「分析調査」を行うかの判断が求められます。

    【みなし含有】

    ・築年数や施工履歴から石綿含有の可能性が高いと判断される場合、詳細な分析をせずに石綿を含んでいる前提で対応する。
    ・調査コストを削減できるが、石綿除去作業が必要になる。

    【分析調査】

    ・実際にサンプルを採取し、専門機関で石綿含有の有無を確認する。
    ・石綿が含まれていなければ、不要な除去作業を省けるため、トータルコストを抑えられる。

    塗装業者としては、工事の規模や予算、建材の特性を考慮し、どちらの方法を採用するか判断することが重要です。

    5.メタラボ石綿事前調査システムで解決できること

    塗装業者が抱える石綿調査の課題を解決するために、「メタラボ石綿調査システム」が有効なソリューションとなります。
    本システムでは、
    • クラウド上での調査結果の一元管理
    • 専用アプリで経験の浅い方でもスムーズ調査
    • 法に基づいた報告書の自動生成
    • 行政への報告システム(Gビズ)へ簡単申請

    このシステムを活用することで、塗装業者は法令遵守をしながら、効率的な工事管理が可能となります。

    前田 淳司

    1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。 自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化した サービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体 工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

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