アスベスト(石綿)って、どの建材に入ってるの?
見た目じゃわかりにくい建材たちを、動画&写真でサクッと紹介する【この石綿建材なにー?】シリーズが始まりました!
よく使われている床材や壁材の“見た目・特徴・注意ポイント”を、ナレーション付きで分かりやすく解説。
石綿調査や建材チェックの前に、ぜひご覧ください!
目次
1.ソフト巾木ってどんな建材?
巾木(はばき)は、壁の下端・床との境目をカバーするための部材です。
中でもソフト巾木は、塩化ビニル製の柔らかい素材でできており、特に住宅や学校・オフィスなどの内装で広く使われています。壁紙との収まりもよく、手軽に施工できる点が特徴です。

2.アスベストが含まれている可能性は?
意外に思われるかもしれませんが、古いソフト巾木の一部にはアスベストが含まれていた製品があります。とくに、1970〜1990年代に流通していた製品の中には、可塑剤の安定化や補強材として石綿を含んだものが存在します。柔らかいビニル系でも油断は禁物。また、接着剤にもアスベストの含有の可能性があります。
3.現場での見分け方と注意点
● 見た目や色では判断できない
ソフト巾木は、色・柄のバリエーションが多く、見た目では石綿含有かどうかの判別は困難です。
特に白やグレーなどの無地タイプは、現在の非含有品と見分けがつかない場合が多い為ご注意下さい。
● 接着剤で貼られており、剥がすときに粉じんが発生することも
現場ではソフト巾木が床・壁に接着剤で強力に貼り付けられているケースが多く、剥がす際に本体が裂けたり、下地と一緒に崩れて粉じんが発生する可能性があります。
撤去作業時は、粉じんの飛散防止措置(湿潤化、養生など)を講じることが必要です。
● 製造年やメーカー表示を確認する
現場において、製品名・型番・メーカー名の刻印や記録が残っていれば、アスベストの有無をカタログ等で照合できる場合があります。
特に以下のようなケースでは注意が必要です
- 昭和50年代〜平成初期に施工された建物
- メーカーや型番が不明
- 製品情報が確認できない or 製造年が古い
このような場合、必ず分析調査を行うことが望ましいとされています。
4.調査・除去時の対応ポイント
1.製品名や製造年が不明な場合は分析を依頼
2.撤去時は接着部に注意し、剥がす際の粉じん飛散を最小限に
3.廃棄は石綿含有建材として適切に管理・処分
4.可能なら部分採取を行い、分析結果を確認してから対応を決定
適切なプロセスを踏めば、現場の安全を守れます。


5.動画:この石綿建材なにー?(ソフト巾木編)
▼動画内でご紹介したシステムはこちらです。ご覧ください。

6.まとめ:表面だけじゃ判断できない!
柔らかく、見た目もシンプルなソフト巾木ですが、表面や素材感だけで石綿の有無を判断することはできません。
動画でも紹介されていた通り、石綿入りだったとしても外観上はまったく気づけないこともあるため、
「古そう」「メーカー不明」などの条件が揃った場合は、必ず調査・分析を行いましょう。
感触や柔らかさに惑わされず、「調べる・確認する」を徹底することが、安全な解体・改修の第一歩です。

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。 自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化した サービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体 工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。
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