発電所・プラント改修に欠かせない石綿調査 ― 物件管理で工期リスクを減らす

物件管理

発電所・プラント改修に欠かせない石綿調査 ― 物件管理で工期リスクを減らす

電力会社やガス会社、石油精製プラントなど、エネルギー関連企業は大規模な施設や建屋を数多く所有しています。発電所や変電所、ボイラー棟、制御室、パイプライン施設などは稼働年数が長く、定期的な改修や更新工事が不可欠です。その際に必ず必要となるのが「石綿(アスベスト)調査」です。

しかし実際には、改修のたびにゼロから調査をやり直し、膨大な手間とコストが発生しているケースが少なくありません。工期が遅れればエネルギー供給や操業計画に影響し、企業にとって大きなリスクとなります。

発電所・プラント施設の外観イメージ

■ プラント改修で繰り返される課題

  • 工期の遅延リスク: 調査に時間を取られ、改修スケジュールが後ろ倒しになる。
  • コストの重複: 同じ施設を何度も調査し、余計な費用が積み上がる。
  • 履歴の分散: 調査結果が現場や外注先ごとにバラバラで、次回に活かせない。
  • 品質のばらつき: 調査者や委託業者によって表記や記録が異なり、全体管理が難しい。
工期遅延やコスト重複などの課題イメージ

■ 施工会社に丸投げしていないか?

発電所やプラントの改修では、石綿調査を施工会社に任せきりにしてしまうケースが少なくありません。 しかし、その結果「調査データが施工会社の手元にだけ残り、自社で履歴を持っていない」という事態が起こりがちです。

これでは、次回の改修で再びゼロから調査をやり直す羽目になり、工期の遅延やコストの重複に直結します。もちろん施工会社や専門業者に依頼すること自体は必要ですが、データを自社で一元管理することこそ、リスクを減らし資産化につながるのです。

施工会社への丸投げによるデータ分散イメージ

■ 解決のカギは「物件管理」

この課題を解決するのが「物件管理機能」を備えた調査システムです。施設ごとに調査履歴を登録し、データを一元化することで、次回以降の改修では更新や追加部分だけに集中できます。

導入メリット

  1. 工期リスクを軽減:既存データを活用することで、調査時間を大幅短縮。
  2. コスト削減:同じ施設をゼロから何度も調査する必要がなくなる。
  3. 履歴の一元管理:発電所やプラントごとの調査データを統合し、担当交代にも対応。
  4. 品質の均一化:統一基準での記録により、長期的な比較や更新が容易。
物件管理システムのイメージ

■ エネルギー施設ならではの活用シーン

例えば、発電所のボイラー建屋を段階的に更新する場合、初回調査で全体を登録しておけば、次回以降は対象部分の追加調査だけで済みます。これにより、定期修繕や定検工事の短納期にも柔軟に対応できます。

また、全国に複数の発電所やプラントを所有する企業であれば、各拠点の調査履歴を横断的に把握でき、改修の優先順位をリスクベースで判断可能になります。これは安全性だけでなく、投資計画の合理化にも直結します。

ボイラー建屋の段階更新とデータ活用のイメージ

■ 調査を「負担」から「資産」へ

石綿調査は法令で義務付けられた対応ですが、単に“コスト”として消費してしまうのはもったいないことです。物件管理を導入すれば、調査は将来の改修や安全管理を支える「資産」として活用できます。

エネルギー供給という社会的責任を果たすために――いまこそ石綿調査を効率化し、物件管理を取り入れるべき時期です。

調査資産化のイメージ

■ メタラボ石綿事前調査システム

メタラボ石綿事前調査システムなら、物件管理を中心に調査データの一元管理・CSV出力・レポート自動生成までワンストップ。工期リスクとコストの双方を抑えつつ、品質を平準化します。

メタラボ石綿事前調査システムの画面例

■ 著者紹介

前田 淳司
前田 淳司

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。
自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化したサービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

© metalab.

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