プラント設備の石綿調査を効率化 ― 工作物義務化に備える物件管理の視点

プラント設備の石綿調査を効率化 ― 工作物義務化に備える物件管理の視点

発電所や製造プラントなど、大規模な工作物を多く抱える現場では、定期的な改修や点検が欠かせません。その際に必要となるのが「石綿(アスベスト)事前調査」です。

2026年1月からは「工作物石綿事前調査者」の資格が新設され、これまで建築物中心だった調査義務が、ボイラー・配管・ダクト・煙突・鉄骨架台などの“非建築物(工作物)”にも拡大します。本記事では、工作物に特化した石綿調査の課題と、metalab.の「物件管理」による効率化の方法を紹介します。

プラント設備のイメージ

■ 繰り返し調査が招く問題(工作物)

プラントや製造設備では、配管更新・タンク補修・熱交換器の改修など、常に部分的な工事が発生します。これらを都度“個別案件”としてゼロから調査すると、次の課題が生じがちです。

  • 重複調査: 同じ配管ルートや架台を何度も調べる。
  • 履歴の分散: 紙・Excel・個人PCに散在して前回結果を追えない。
  • 再利用不可: 設備更新が履歴に反映されず分析データが活きない。
  • 引き継ぎロス: 担当交代で情報が途切れ、再調査コストが発生。
調査非効率による工期やコストの課題イメージ

■ 「物件管理」で解決できる

metalab.の物件管理機能を活用すれば、工作物を「棟」「系統」「設備単位」で整理し、全調査結果をクラウドで一元管理できます。

導入メリット

  1. 範囲特定: 改修時に“対象範囲だけ”抽出して再調査可能。
  2. 履歴活用: 設備ごとに過去の調査・分析結果を即参照。
  3. 共有迅速: 分析会社・協力業者とクラウドで情報共有を完結。
  4. 品質平準化: 表記・判断基準を統一し、誰が調査しても同じ品質に。
物件管理システムの画面イメージ

■ プラント工作物ならではの活用シーン

  • 配管ルート: 熱絶縁材やパッキンへの含有可能性。ルート図と調査履歴を紐づけ。
  • ボイラー・タンク: 外装・断熱層の分析結果を履歴化し更新計画へ反映。
  • 煙突・ダクト: 高所作業の安全管理と調査履歴参照で重複作業を抑制。
  • 鉄骨架台・機器架台: 塗膜調査の範囲を明確化し、無駄な再調査を回避。

複数ラインを持つ工場では、ライン別の系統登録により、「どの系統で石綿が検出されたか」を即時把握。調査履歴を“安全データベース”として活用できます。

プラントでの活用シーンのイメージ

■ 現場担当者を助ける「物件管理」

工作物の調査では、図面や現場位置の特定に時間がかかりがちです。metalab.では設備単位の管理に加え、現場担当者がすぐ参照できるインターフェースを備えています。

  • — 設備写真と調査結果をセットで表示
  • — フィルター検索で特定部位の履歴確認
  • — 担当者ごとの操作ログ・引き継ぎメモの自動保存
  • — 再調査指示・修正依頼をオンラインで完結

「前回どこまで調査したか」「どの設備が未対応か」を誰でも把握でき、現場判断のスピードが大幅に向上します。

調査資産化のイメージ

■ メタラボ石綿事前調査システム

メタラボ石綿事前調査システムなら、物件管理を中心に調査データの一元管理・CSV出力・レポート自動生成までワンストップ。物流改修での工期リスクとコストを抑えつつ、品質を平準化します。

メタラボ石綿事前調査システムの画面例

■ 著者紹介

前田 淳司
前田 淳司

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。
自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化したサービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

© metalab.

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