石綿調査は業者任せでいいのか ― 発注者が“知らなかった”では済まされない理由

物件管理

石綿調査は業者任せでいいのか ― 発注者が“知らなかった”では済まされない理由

石綿(アスベスト)調査は、調査会社や施工会社だけの責任で完結する業務ではありません。最終的に工事を発注し、工程や費用を判断し、実施の可否を決めるのは発注者です。

つまり発注者は、石綿の有無を前提に意思決定を行う当事者でもあります。にもかかわらず「任せている」「把握していない」状態が続くと、トラブル時に説明責任が空白になりがちです。

発注者の判断イメージ

■ なぜ「発注者責任」が重要になっているのか

近年、行政指導・立入検査が強化される中で、問われるのは「調査をしたか」だけではありません。発注者として調査内容を理解し、どの根拠で工事判断をしたかまで説明を求められる場面が増えています。

  • — 調査範囲は適切か(対象漏れはないか)
  • — 判断根拠は残っているか(写真・分析・メモ)
  • — 変更工事(追加・仕様変更)に追随できているか
説明責任イメージ

■ 業者任せが生む3つのリスク

  1. 工程が止まる: 判断根拠が弱いと、立入時・発注者内部審査で確認が長引き、工事が止まる。
  2. コストが膨らむ: 過去情報が活かせず、再調査・再分析が発生しやすい。
  3. 責任が曖昧になる: 「誰が何を承認したか」が残らず、トラブル時に説明ができない。
工程遅延のイメージ

■ 発注者が最低限チェックすべきポイント

全部を専門家レベルで理解する必要はありません。発注者として、次のポイントだけは“確認できる形”で押さえておくと、現場は安定します。

  • 対象範囲: 建築物+付帯設備+工作物(該当時)まで見ているか
  • 根拠: 写真(全景/近接)+分析結果+判断メモが揃っているか
  • 変更管理: 追加工事が出たとき、差分で追える仕組みがあるか
  • 引き継ぎ: 担当交代しても同じ判断が再現できるか
チェックリスト

■ 物件管理で“説明できる発注”に変える

発注者責任を「負担」にしないためには、個人の理解力ではなく、仕組みに落とし込むことが重要です。物件(建物)単位で、調査履歴・写真・分析・図面・判断メモを一元管理できれば、発注判断は格段に安定します。

  • — 「前回どこまで調査済みか」を即確認
  • — 追加工事は差分だけ抽出して再調査
  • — 行政・社内説明も根拠付きで短時間化
物件管理イメージ

■ メタラボ石綿事前調査システム

メタラボ石綿事前調査システムなら、物件管理を中心に調査データの一元管理・CSV出力・レポート自動生成までワンストップ。発注者側の説明責任を“仕組み”で支え、工期と安全を両立します。

メタラボ石綿事前調査システムの画面例

■ 著者紹介

前田 淳司
前田 淳司

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。
自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化したサービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

© metalab.

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