空港施設の石綿調査を効率化 ― 物件管理で改修遅延を防ぐ

物件管理

空港施設の石綿調査を効率化 ― 物件管理で改修遅延を防ぐ

空港運営会社や航空会社は、ターミナルビル、格納庫、整備工場、関連施設など、多くの建物を自社で所有・管理しています。これらの施設は利用者や航空機運航に直結するため、定期的な改修・補修が必要となります。そして改修工事に欠かせないのが「石綿(アスベスト)調査」です。

しかし実際には、ターミナルの改修や格納庫の補修のたびにゼロから調査を繰り返し、工期が遅れたりコストが重複したりするケースが少なくありません。空港という止められないインフラにおいて、調査の非効率は大きなリスクになります。

空港ターミナル外観イメージ

■ 空港施設で繰り返される課題

  • 工期遅延: 調査に時間を取られ、運航スケジュールや利用者対応に影響。
  • コストの重複: 同じ施設を何度も調査し、余計な費用が積み上がる。
  • 履歴の分散: 調査結果が外注先や部署ごとに管理され、次回活用できない。
  • 品質のばらつき: 調査者や業者ごとに表記が異なり、全体を把握しにくい。
調査非効率による課題イメージ

■ 施工会社に丸投げしていないか?

空港改修の現場では、石綿調査を施工会社に一任してしまうケースが少なくありません。しかし、その結果「調査データが施工会社の手元にしか残らず、自社で履歴を管理できていない」ことがよくあります。

これでは次の改修時にまたゼロから調査が必要となり、工期の遅延や余計なコストに直結します。もちろん施工会社への依頼は必要ですが、調査結果を自社で一元管理することが空港運営にとってのリスク低減策となります。

施工会社任せによるデータ分散イメージ

■ 解決のカギは「物件管理」

この問題を解決するのが「物件管理機能」を備えた調査システムです。施設ごとに調査履歴を登録・蓄積し、データを共有・活用できるようにすることで、次回以降の調査は更新部分の確認に集中できます。

導入メリット

  1. 改修スピードの向上:既存データを参照できるため調査期間を短縮。
  2. コスト削減:同じ施設をゼロから何度も調査する無駄を解消。
  3. 履歴の一元管理:複数施設や担当部署間でデータを共有可能。
  4. 品質の均一化:統一基準で記録でき、空港全体の施設管理に活かせる。
物件管理システムのイメージ

■ 空港業界ならではの活用シーン

例えば、ターミナルビルのリニューアルを段階的に進める場合、初回調査で全体を登録しておけば、次回以降は対象フロアだけの更新で済みます。これにより、利用者への影響を最小限に抑えながら工事を進められます。

また、複数の空港を運営する企業であれば、全拠点の調査履歴を横断的に管理でき、改修の優先順位をリスクベースで決定可能です。これは利用者の安全確保だけでなく、効率的な投資計画にも直結します。

空港ターミナル段階改修の活用イメージ

■ 調査を「資産」へ変える

石綿調査は法令対応にとどまらず、安全で確実な空港運営を支える基盤です。物件管理を導入することで、調査は「一度きりの負担」から「継続的に活用できる資産」へと変わります。

利用者の安心と運航の安定を守るために――いまこそ物件管理を取り入れるべき時期です。

調査資産化のイメージ

■ メタラボ石綿事前調査システム

メタラボ石綿事前調査システムなら、物件管理を中心に調査データの一元管理・CSV出力・レポート自動生成までワンストップ。空港改修における工期リスクとコストを抑えつつ、品質を平準化します。

メタラボ石綿事前調査システムの画面例

■ 著者紹介

前田 淳司
前田 淳司

1991年 NTT入社、その後2007年に総合解体工事業大手の株式会社前田産業に入社、解体工事業を現場から学び、その後同社常務取締役を得て、2022年株式会社metalab.を設立。
自らが経験した解体工事業の経験を活かし、人口減等の社会的課題を解体業に特化したサービス提供で業界イノベーションを推進したい思いから事業を立ち上げ、現在では解体工事現場代理人教育や解体施工技士対策講師等も実践している。解体工事業界18年目。

© metalab.

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